I-06 AI検索の全体地図を描く
ChatGPT・Perplexity・Google・Geminiなど主要プレイヤーの位置関係を1枚で見渡す
このレッスンの狙い:主要AI検索サービスの全体像と関係性を図で説明できる
最終更新: 2026-07-23
この記事の要点
- 主要AI検索サービスの全体像と関係性を図で説明できる
- AI検索の2つのタイプ
- 検索エンジン組み込み型
AI検索の話題になると、ChatGPTかと思えばPerplexity、Googleかと思えばGeminiと、毎回違う名前が飛び交います。ここで一度手を止めて、1枚の地図に主要プレイヤーを描き出しておきましょう。立ち位置と仕組みの違いさえ地図にできれば、以降の固有名詞に振り回されなくなります。
AI検索の2つのタイプ
AI検索の主要プレイヤーは、大きく2つのタイプに分けて整理すると見通しがよくなります。
検索エンジン組み込み型
- Google AI Overviews/AI Mode
- 既存の検索結果画面の中にAIの回答が表示される
独立AI対話サービス型
- ChatGPT・Perplexity・Gemini・Claude・Grok
- チャット形式の対話の中で検索から回答までが完結する
同じ「AI検索」という言葉でも、この2つは生まれた場所も進化のしかたも違います。編II-Cでは、ここに挙げたサービスを1つずつ深掘りしていきます。ここではまず、「検索の中にAIがいる」のか「AIの中に検索がある」のかという2つの見方があることを押さえておいてください。
いつ、何が起きたのか(タイムライン)
時系列で見ると、GoogleとOpenAIがほぼ同じ時期に動いていたことが分かります。
- 2023年5月 Google SGE発表
- 2024年7月 OpenAI SearchGPT発表
- 2024年8月 AI Overviews日本展開
- 2024年10月 ChatGPT検索 正式発表
- 2025年2月 ChatGPT検索 全展開完了
Googleは2023年5月のGoogle I/Oで「Search Generative Experience(SGE)」を発表し、2024年5月に正式名称「AI Overviews」としてローンチ、同年8月16日には日本を含む主要国へ展開しました(出典: Wikipedia "AI Overviews"; 国立国会図書館カレントアウェアネス, 2026年)。一方OpenAIは2024年7月25日に検索プロトタイプ「SearchGPT」を発表し、同年10月31日に「ChatGPT検索」を正式発表、2025年2月5日には全ユーザー・全地域への展開を完了しています(出典: Search Engine Journal, 2026年)。両者は競い合うようにして、ほぼ同時期にAI検索を実装してきたことがうかがえます。
実例:Japan SEO Conference 2025 クロージングキーノート DMM.com・CyberAgent・Nile・Faber Companyの4名がAI時代のSEOの変化を討論し、申込2,000名突破のハイブリッド開催となりました(mieru-ca.com, 2025年7月)。
裏側の仕組みは共通、評価の軸は別々
技術的な裏側を見ると、Google AI Overviews・ChatGPT検索・Perplexityはいずれも共通の仕組みで動いています。
用語解説
RAG(検索拡張生成)とは、AIがまずWeb検索で関連ページを取得し、その内容をもとに回答を生成して出典を添える、という2段構成の仕組みです。Google AI Overviews・ChatGPT検索・Perplexityはいずれもこの仕組みで動いています。
Googleの「AI Mode」はさらに一歩進んでおり、1つの複雑な質問を複数の小さな質問に自動分解して並行処理する「クエリファンアウト」という技術を使っています(出典: Evertune; Niara, 2026年)。ただし共通の仕組みを使っていても、評価の軸はエンジンごとに異なります。ChatGPTやClaudeは意味的な深さや権威性を重視し、リアルタイム取得を行うエンジンは事実の新しさを重視する傾向があると指摘されています(出典: NetRanks, 2026年)。
誰がサイトを読みに来ているのか
各サービスは専用の巡回プログラム(クローラー)を使ってWebを読みに来ています。
OpenAI
GPTBot・OAI-SearchBot
Anthropic
ClaudeBot
Perplexity
PerplexityBot
Google-Extended
自社サイト側ではrobots.txtによりアクセスを許可・拒否できます(出典: Presenc AI, 2026年)。この設定方法は編III-A参照で具体的に扱います。
実践ステップ
- 自社サイトのrobots.txtを開き、どんなクローラーの記載があるか確認する
- ChatGPT・Perplexity・Google(検索でAI Overviewsが出るか)のそれぞれで、自社の主要キーワードを試す
- 表示された回答が、検索エンジン組み込み型と独立AI対話型のどちらの傾向が強いかをメモする
- 「検索の中にAIがいる」パターンと「AIの中に検索がある」パターン、自社が対策を急ぐべきはどちらかを考える
まとめ
AI検索は一枚岩ではなく、検索エンジン組み込み型と独立AI対話サービス型という生まれの違う2系統が並走しています。GoogleとOpenAIはほぼ同時期に競うようにAI検索を実装し、裏側の仕組みはRAGという点で共通していますが、評価の軸はエンジンごとに異なります。プレイヤーの地図が頭に入ったところで、序編の締めくくりとなるI-07では、この地図を土台にテクニカル・コンテンツ・エンティティ・計測という4つの打ち手が互いにどうつながっているかを先に俯瞰しておきます。
このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。
確認テスト
選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。
Q1. Google AI OverviewsとChatGPT検索は、ほぼ同時期に競うように実装が進められた。
GoogleとOpenAIは2023〜2025年にかけてほぼ同時期にAI検索を実装してきたと本文は説明している。
Q2. Anthropicが提供しているAIクローラーとして本文に挙げられているのはどれか。
OpenAIはGPTBot・OAI-SearchBot、AnthropicはClaudeBot、PerplexityはPerplexityBotとして整理されている。
Q3. RAG(検索拡張生成)の仕組みとして本文が説明しているのはどれか。
Google AI Overviews・ChatGPT検索・Perplexityはいずれもこの2段構成の仕組みで動いていると説明されている。
このレッスンのFAQ
Q. AI検索のプレイヤーはどのように分類できますか?
検索エンジン組み込み型(Google AI Overviews等)と独立AI対話サービス型(ChatGPT・Perplexity等)の2タイプに大きく分けられます。生まれた場所も進化のしかたも異なります。
Q. 自社サイトへのAIクローラーのアクセスは制御できますか?
はい、robots.txtにより許可・拒否を設定できます。具体的な設定方法は編III-Aで扱われます。
Q. すべてのAI検索エンジンは同じ基準で評価しますか?
いいえ、エンジンごとに評価の軸は異なります。ChatGPTやClaudeは意味的な深さや権威性を重視し、リアルタイム取得を行うエンジンは事実の新しさを重視する傾向があると指摘されています。