VIII-G1 調達担当者はもうAIに聞いてから動く―製造業BtoB購買のAI検索利用データ
製造業BtoB購買のAI検索利用データ
このレッスンの狙い:Gartner(45%が生成AIでベンダー・製品情報収集)・Forrester(94%が直近購買でAI使用)等の海外調査とテクノポート・HubSpot Japan等の国内調査を理解し、購買担当者・設計エンジニアのAI活用が既に一般化しつつあることを数字で説明できるようになる。
最終更新: 2026-07-25
この記事の要点
- Gartner(45%が生成AIでベンダー・製品情報収集)・Forrester(94%が直近購買でAI使用)等の海外調査とテクノポート・HubSpot Japan等の国内調査を理解し、購買担当者・設計エンジニアのAI活用が既に一般化しつつあることを数字で説明できるようになる。
- 海外調査が示す「AIが起点」という変化
- ただし「鵜呑み」にはしていない
「うちは部品や設備を扱うBtoBだから、AI検索の話は関係ない」と思っていませんか。実は海外・国内を問わず、製造業の購買担当者や設計エンジニアがAIに相談してから動くケースは、この1〜2年で急速に一般化しています。ここでは複数の調査データを根拠に、その規模感を数字で押さえます。
海外調査が示す「AIが起点」という変化
Forrester社が世界の企業購買者約1.8万名を対象に実施した調査によれば、直近の購買において94%が何らかの形でAIを使用し、55%がAIツールでベンダーを比較し、54%が製品情報を調査していました(出典: Forrester, 2026年1月)。同社は、AI回答エンジンがWebサイトや営業担当者を上回る「ベンダー調査の情報源第1位」になったとも述べています。Gartner社が実施したB2B購買者645名への調査でも、45%が主にベンダー・製品情報の収集を目的に生成AIを使用し、購買者は平均7つの情報源を使っていました(出典: Gartner, 2026年5月)。同社は「2027年までに営業担当者のリサーチ業務の95%がAIから始まるようになる(2024年時点では20%未満)」という予測も示しています。
ただし「鵜呑み」にはしていない
AIを使うこととAIを信じ切ることは別問題です。GlobalSpec社とTREW Marketing社が世界の技術者・技術系購買者1,000名超を対象に実施した継続調査では、69%が購買プロセスでAIを活用する一方、AI回答への信頼度スコアは10点満点中4.7点にとどまりました(出典: GlobalSpec/TREW Marketing, 2026年)。AI生成サマリーに気づいた人の69%が実際の検索結果も確認しに行くと回答しており、AI要約だけで十分と答えたのはわずか6%でした。Gartnerの調査でも69%が「生成AIが示した情報を営業担当者に確認して検証したい」と回答しており、AIは調査の起点であって意思決定の終点ではないケースが多いとわかります。
日本国内でも同じ流れが始まっている
テクノポート株式会社が製造業従事者317名を対象に実施した調査(2026年1〜2月実施)では、生成AIの利用用途として「技術課題の整理・原因仮説の洗い出し」53.9%、「サプライヤー・外注先・代替部材の探索」27.1%という結果が出ています(出典: テクノポート株式会社, 2026年3月)。「従来は検索エンジンを使っていたが、初手から生成AIで情報収集するようになった」という声も報告されました。なおBtoB全般(製造業限定ではない)を対象にしたHubSpot Japanの調査でも、購買時の情報収集行動として「生成AI・AI検索を使う」が33.5%で最多という結果が出ています(出典: HubSpot Japan×マクロミル, 2026年)。
用語解説
「バイインググループ」とは、BtoB購買における複数の意思決定関与者の集合を指します。製造業では購買担当者・設計エンジニア・技術部門の責任者など複数の立場の人が関わり、Gartnerの調査では平均7つの情報源が使われるとされています。1人だけに向けた情報発信では足りない理由がここにあります。
注意
HubSpot Japan・LANY LLMO LABの調査はBtoB全般を対象にしたものであり、製造業限定のデータではありません。「業種を問わずAI検索が調達プロセスに組み込まれつつある」という参考情報として理解し、製造業固有の数値としては扱わないでください。
Forrester・世界約1.8万名
94%が直近の購買で何らかの形でAIを使用
Gartner・645名
45%が生成AIでベンダー・製品情報を収集
GlobalSpec/TREW・技術者1,000名超
69%が購買プロセスでAI活用(信頼度4.7/10)
テクノポート・製造業317名
53.9%が技術課題の整理にAIを活用
実践ステップ
- 自社の主な調達・技術検討シーンを洗い出す
- 購買担当者・設計エンジニアが実際にAIへ相談しているか、営業や技術部門にヒアリングする
- 相談されそうな「型番」「仕様」「サプライヤー比較」のキーワードを書き出す
- 自社サイトがそれらの質問に答えられる情報を持っているか確認する
- 次のVIII-G2で、購買担当者と設計エンジニアの調べ方の違いを学ぶ
まとめ
製造業BtoBの購買者は、すでにAIに相談してから動き始めています。ただしAIの回答をそのまま信じているわけではなく、営業担当者や実際の検索結果で裏取りする行動も同時に増えていることが、複数の調査から見えてきました。この「使うが、鵜呑みにはしない」という実態を踏まえたうえで、次は「誰が」「何を」調べているのかを具体的に見ていきます。
このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。
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Q1. Forrester社の調査では、世界の企業購買者の94%が直近の購買で何らかの形でAIを使用したと回答した
Forrester社が世界の企業購買者約1.8万名を対象に実施した調査で94%が何らかの形でAIを使用したと報告されている(出典: Forrester, 2026年1月)。
Q2. テクノポート株式会社の調査で、製造業従事者が生成AIを最も多く使う用途は何か
テクノポート株式会社の調査(2026年1〜2月実施)では「技術課題の整理・原因仮説の洗い出し」が53.9%で最多だった(出典: テクノポート株式会社, 2026年3月)。
Q3. Gartnerの調査で、2027年までに営業担当者のリサーチ業務の何%がAIから始まるようになると予測されているか
Gartnerは2027年までに営業担当者のリサーチ業務の95%がAIから始まるようになると予測している(2024年時点では20%未満)(出典: Gartner, 2026年5月)。
このレッスンのFAQ
Q. 製造業のBtoB購買担当者はAI検索をどれくらい使っていますか。
Forrester社の調査では世界の企業購買者の94%が直近の購買で何らかの形でAIを使用したと報告されています(出典: Forrester, 2026年1月)。
Q. AIの回答はそのまま信頼されていますか。
いいえ。GlobalSpec/TREW Marketingの調査では、AI回答への信頼度は10点満点中4.7点にとどまり、AI生成サマリーに気づいた人の69%が実際の検索結果も確認しています。
Q. 日本の製造業でもAI検索利用は進んでいますか。
テクノポート株式会社の調査(2026年1〜2月)では、製造業従事者の53.9%が「技術課題の整理・原因仮説の洗い出し」に生成AIを利用していると回答しています。