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VI-C5 失敗事例と教訓から学ぶ

うまくいかなかった事例から、避けるべき落とし穴を学ぶ

このレッスンの狙い:失敗事例から自社が避けるべき落とし穴を説明できる

最終更新: 2026-07-23

この記事の要点

  • 失敗事例から自社が避けるべき落とし穴を説明できる
  • メディア業界に起きている「表示は増えるがクリックは減る」現象
  • 「llms.txtを置けば安心」という期待が裏切られたデータ
ケーススタディ徹底分析VI-C5

うまくいかなかったデータも同じくらい大切

失敗事例と教訓から学ぶ

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ここまで4本、成功事例を見てきました。ですがAIOを正しく理解するには、うまくいかなかった事例・期待が裏切られたデータを知ることも同じくらい大切です。良い面だけを見て投資判断をすると、思わぬところで足元をすくわれます。ここでは業界規模で観測されている「失敗」に近いデータと、そこから引き出せる教訓を整理します。

メディア業界に起きている「表示は増えるがクリックは減る」現象

パブリッシャー(メディア)業界は、AIOの負の影響が最も定量的に報告されている業界です。英国の調査会社Authoritasが2025年4月に英国主流メディアのニュース関連キーワード3,500語を調査した結果、AI Overviews表示ページではデスクトップのクリック率が47.5%低下、モバイルで37.7%低下しました(出典: Press Gazette, 2025年7月30日)。米国では、Digital Content Next加盟の大手メディア19社を対象にした調査で、Google検索からの紹介トラフィックが前年同期比中央値で-10%、企業によっては-25%まで下落したケースも確認されています(出典: Digiday, 2025年8月15日)。ある自動車系出版社では、検索1位のコンテンツでもクリック率が2.75%から1.71%まで低下し、トラフィック全体では25%の減少となった一方、「表示回数」自体はむしろ7%増加したという逆説的な現象も報告されました(出典: 同上)。

「llms.txtを置けば安心」という期待が裏切られたデータ

Search Engine Landが金融・B2B SaaS・EC・保険・ペットケア業界の10サイトを追跡した調査では、llms.txt導入だけで流入が増加したのはわずか2サイトのみで、残り8サイトは横ばい、うち1サイトはむしろ19.7%減少しました(出典: Search Engine Land, 2026年1月20日)。さらにAhrefsが137,210ドメインを調べた2026年6月の調査でも、有効なllms.txtを公開しているサイトのうち97%が2026年5月時点でリクエストを1件も受けていなかったと報告されています(出典: Ahrefs, 2026年6月)。Ahrefs自身がこれを「解決すべき課題を探している解決策」と表現しているほどです。

この2つの失敗データに共通する教訓

メディア業界の事例とllms.txtの事例、一見別の話に見えますが、共通する教訓が2つあります。1つ目は、「表示・露出が増えること」と「成果(クリック・問い合わせ・流入)が増えること」は別物だという点です。メディア業界ではむしろ表示回数が増えてもクリックが減っています。2つ目は、単一の施策や指標だけで成果を語る危うさです。llms.txtという1つのファイルを置くだけで満足してしまうと、実際には何も変わらない可能性が高いことがデータで示されています。

「検索順位1位ならAIOにも載る」という誤解

もう1つよくある誤解として、「検索順位で1位を取ればAIOにも載る」という考え方があります。しかし実際には、AI Overviewsの引用元と通常の検索結果トップ10が重複する割合は、Ahrefsの調査で2025年7月時点の76.10%から2026年3月時点では38%まで下がっています(出典: Ahrefs, 2026年3月)。健康・金融・法律のようなYMYL領域に絞ったSearch Engine Landの分析では、この重複率はさらに低い17%にとどまるとも報告されています(出典: Search Engine Land, 2026年確認)。いずれにせよ、順位を上げる努力と、AIに引用される努力は、重なる部分はあっても同一の取り組みではないと理解しておく必要があります。

実践ステップ

  1. 自社サイトで「表示回数(インプレッション)」と「クリック率」を分けてSearch Consoleで確認する
  2. llms.txtを導入済みの場合、実際にアクセスログでAIクローラーからのリクエストが来ているか確認する
  3. 検索順位が高いページと、実際にAIに引用されているページが一致しているかをいくつか照合する
  4. 「〇〇%増」のような外部の成功事例を見たとき、第三者検証済みか自己申告かをまず確認する習慣をつける
  5. 自社の指標を「表示・言及」と「問い合わせ・売上」の2階層に分けて追跡する仕組みを作る

まとめ

AIOの世界には、成功事例と同じくらい重要な失敗データが存在します。メディア業界の「表示は増えてもクリックは減る」現象も、llms.txtの「置いても97%はリクエストゼロ」というデータも、派手な成功談だけを追いかけていると見落としがちな情報です。うまくいく施策を保証する魔法はどこにもありません。むしろ、うまくいかなかったデータをきちんと押さえておくことが、次の一手を誤らないための一番の近道になります。成功も失敗も一通り眺めた今、残る作業は1つです。VI-C6で、ここまでの視点を実践的な診断フレームワークへ整理し直します。

このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。

確認テスト

選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。

Q1. Ahrefsが137,210ドメインを調べた調査では、有効なllms.txtを公開しているサイトのうち97%が2026年5月時点でリクエストを1件も受けていなかった。

Q2. Search Engine Landが金融・B2B SaaS等10サイトを追跡した調査で、llms.txt導入だけで流入が増加したのは何サイトだったか。

Q3. Authoritas調査で、AI Overviews表示ページのクリック率はモバイルでどの程度低下したか。

このレッスンのFAQ

Q. 「表示・露出が増えること」と「成果が増えること」が別物であることを示す事例は何か。

ある自動車系出版社の例で、表示回数が7%増加した一方、クリック率は2.75%から1.71%に低下し、トラフィック全体は25%減少しました。

Q. Ahrefs自身はllms.txtをどのように表現しているか。

「解決すべき課題を探している解決策」と表現しています。

Q. 「検索順位1位ならAIOにも載る」という誤解に対する反証データは何か。

AI Overviewsの引用元と検索結果トップ10が重複する割合は、2025年7月の76.10%から2026年3月には38%まで下がっており、YMYL領域に絞るとさらに17%にとどまるとされています。

監修:鈴木晋介(株式会社WEBMARKS 代表取締役)

ケーススタディ失敗パターン
まだ完了にしていません。

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