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IX-C3 DMAの検索選択画面——デフォルト依存からの脱却

デフォルト依存からの脱却

このレッスンの狙い:EUのDMA検索選択画面の仕組みを理解し、Google一強を前提にせず複数の検索エンジンを意識したAIO設計ができるようになる

最終更新: 2026-07-25

この記事の要点

  • EUのDMA検索選択画面の仕組みを理解し、Google一強を前提にせず複数の検索エンジンを意識したAIO設計ができるようになる
  • 選択画面という仕組み
  • なぜこれがAIOにとって重要なのか
欧州(EU・英国)IX-C3

デフォルト依存からの脱却

DMAの検索選択画面という仕組み

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欧州のAIO環境を理解するうえで、EU AI Actと並んで押さえておきたいのがDMA(デジタル市場法)です。「検索エンジンは黙っていてもデフォルトのままユーザーに使われる」という前提が、欧州では制度的に崩されているという点が、他地域との大きな違いになります。

選択画面という仕組み

DMA対応として、EEA域内の新規Android端末では、セットアップ時にブラウザ・検索エンジンの選択画面が表示されます。

検索選択画面の変遷
  1. 2024年3月:EEA域内の新規Android端末で選択画面の表示を開始
  2. 2024年8月:上位8検索エンジンをランダム順で全件スクロールさせる更新版に切替
  3. 2025年:検索・ブラウザ双方の選択画面表示をスキップ不可の設計で継続

(出典: Google公式、searchengineland、oemad.ai)

なぜこれがAIOにとって重要なのか

この仕組みの意味は単純です。ユーザーが「なんとなく」ではなく、能動的に検索エンジンを選ぶ機会が制度として組み込まれているということです。Google一強を前提にコンテンツを作るだけでは、Bing・DuckDuckGo・Ecosiaなど他の選択肢にリーチできているユーザー層を取りこぼす可能性があります。

ポイント

欧州市場でのAIO・SEOは、「Googleに最適化すれば十分」という発想にリスクがあります。選択画面によって複数の検索エンジンが並列に提示される以上、少なくとも上位数エンジンでの見え方を意識する価値があります。

デフォルト依存から脱却する発想

この選択画面は検索エンジン間の競争だけの話ではありません。AIチャットボットのデフォルトアプリ化が進む中で、「ユーザーが選ぶ画面が用意されている市場」という欧州の特徴は、AIOにも同じ発想を持ち込むヒントになります。自社のブランドが「言及されるかどうか」だけでなく、ユーザーが能動的に選ぶ場面でどう見えるかという視点を、欧州向けの施策では加えておきたいところです。

国によって検索エンジンの分布は違う

選択画面が実際にどれだけシェアの変化に寄与しているかを示す公式データは、今回確認できた範囲では見つかっていません。ただし参考として、2026年6月時点の欧州主要国の検索エンジンシェアを見ると、国ごとの分布には明確な差があります。

2026年6月の検索エンジンシェア例

ドイツ

Google81.44%・Ecosia1.62%・DuckDuckGo2.06%と分散型

フランス

Google88.36%・自国製Qwant0.94%・Ecosia1.25%

スペイン

Google92.42%と欧州主要国で最も一強型

(出典: StatCounter Global Stats, 2026年6月)

国ごとの検索エンジン分布の違いは、自社がどの国に注力するかで最低限どこまで対応すべきかの判断材料になります。スペインのようにGoogle依存度が突出して高い市場では、まずGoogle向けの最適化を優先し、ドイツのように分散が進んでいる市場では、Bing・Ecosia・DuckDuckGoといった代替エンジンへの最低限のクロール対応まで視野に入れる、という優先順位の付け方が現実的です。

実践ステップ

  1. 自社の主要ターゲット国(英・独・仏・伊・西など)のDMA検索選択画面の運用状況を確認する
  2. StatCounter等で対象国の検索エンジンシェア(Bing・DuckDuckGo・Ecosia等)を把握する
  3. Google以外の検索エンジンでの自社サイトの表示・インデックス状況を確認する
  4. 選択画面経由で流入が見込める検索エンジン向けに、技術的な最低限の対応(クロール許可・構造化データ)を確認する
  5. 「Google一強」を前提にした施策計画を、複数エンジン前提で見直す

まとめ

DMAの検索選択画面は、欧州のユーザーが検索エンジンを能動的に選ぶ機会を制度的に作り出しています。Google一強を前提にせず、複数の検索エンジンでの見え方を意識することが、欧州向けAIOの土台になります。次のレッスンでは、視点をチャットボットそのものの規制に移し、DSAとChatGPTの「VLOSE」指定検討という論点を見ていきます。

このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。

確認テスト

選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。

Q1. DMA対応の検索選択画面は、EEA域内の新規Android端末で2024年3月から表示が開始された。

Q2. 2026年6月時点で欧州主要国の中で最もGoogle依存度が高い(一強型)とされる国は。

Q3. 2024年8月の更新版検索選択画面の仕様は。

このレッスンのFAQ

Q. DMA対応の検索選択画面とは何か。

EEA域内の新規Android端末のセットアップ時に、ブラウザ・検索エンジンを選ぶ画面が表示される仕組みです。

Q. なぜこの仕組みがAIOにとって重要か。

ユーザーが能動的に検索エンジンを選ぶ機会が制度として組み込まれており、Google一強を前提にした施策ではリーチできないユーザー層が生まれるためです。

Q. ドイツとスペインで検索エンジンの分布はどう違うか。

ドイツはGoogle81.44%で分散型、スペインはGoogle92.42%と欧州主要国で最も一強型です(2026年6月, StatCounter)。

監修:鈴木晋介(株式会社WEBMARKS 代表取締役)

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