II-A6 SERPの変化を確認する
AI OverviewsやAIの回答枠が検索結果画面(SERP)をどう塗り替えたか
このレッスンの狙い:従来のSERPとAI時代のSERPの違いを画面イメージで説明できる
最終更新: 2026-07-23
この記事の要点
- 従来のSERPとAI時代のSERPの違いを画面イメージで説明できる
- 検索結果画面に増えた「新しい層」
- 日本にも段階的に広がってきた経緯
このレッスンでは、SERP(Search Engine Result Page、検索結果画面)がAI検索の登場でどう塗り替えられたかを、画面の構造変化として押さえます。前のレッスン(II-A5参照)で扱った「クエリの変化」が入力側の変化だとすれば、今回は受け取る側の画面がどう変わったかという出力側の変化です。自社の検索結果を実際に開いたとき、「何が新しく増えたのか」を指させるかどうかで、この先の理解の深さが変わります。
検索結果画面に増えた「新しい層」
従来のSERPは、自然検索結果のリストと広告枠がほぼすべてでした。そこに割り込んできたのが、画面上部に表示される生成AIの要約枠です。Googleは2023年5月のGoogle I/Oで「SGE(Search Generative Experience)」として実験公開し、2024年5月のGoogle I/Oで正式名称「AI Overviews」としてローンチしました(出典: Wikipedia「AI Overviews」, 2026年7月確認)。検索結果画面の一番目立つ位置に、リンク一覧ではなく「生成された文章」が乗るという構造変化が、ここ数年で一気に進んだということです。
画面イメージを具体的な占有面積で見ると、影響の大きさがより実感できます。AI Overviewsとフィーチャードスニペットが併存表示されるケースを対象にした2024年12月時点の調査では、その占有率がデスクトップで約67.1%、モバイルでは約75.7%に達したと報告されています(出典: Wikipedia「AI Overviews」, 2026年7月確認)。スマートフォンで検索した場合、画面の4分の3近くがAI生成の文章で埋まった状態からスクロールが始まるということです。自然検索結果の1位は、この帯の下まで押し下げられて初めて視界に入ります。
日本にも段階的に広がってきた経緯
この変化は世界同時ではなく段階的に広がりました。AI Overviewsは2024年8月16日に日本を含む主要国へ展開され、同年10月には100カ国以上、2025年5月には200以上の国・地域、40以上の言語に対応しています(出典: Wikipedia「AI Overviews」・国立国会図書館カレントアウェアネス, 2026年7月確認)。さらに2025年9月9日には、より対話的で複数ステップの検索を行う「AI Mode」も日本語対応を開始しました(出典: 同上)。画面の変化は一度きりのアップデートではなく、今も進行中の出来事だと捉えておくべきです。
画面が変われば数字も変わる
画面の構造が変わるということは、ユーザーの視線とクリックの流れも変わるということです。Ahrefsの調査では、AI Overviewsが表示されることで検索結果1位のクリック率が約58%低下すると報告されています(出典: Ahrefs, 2026年)。これまで「上位を取れば一定のクリックが見込める」という前提で組んできたKPIが、AI Overviewsの有無によって崩れうるということです。
Googleも試行錯誤を続けている
この画面レイアウトは固定されたものではありません。2026年1月には、健康関連の検索において一部AI Overviewsの表示を制限する動きがありました(出典: Wikipedia「AI Overviews」, 2026年7月確認)。画面の見え方は事業判断やリスク管理の都合で今後も変わり続けるという前提を持つことが、AIO対策を考えるうえでの土台になります。Google固有の詳しい動きは編II-Dで扱います。
実践ステップ
- 自社の主要キーワードでGoogle検索を行い、AI Overviews枠が表示されるかどうかを確認する
- 表示される場合、画面のどのあたりまでAI Overviews枠が占めているかをスクリーンショットで記録する
- 自然検索の1位のリンクが画面のどの位置まで下がっているかを確認する
- 同じキーワードを1〜2週間おきに検索し、表示・非表示に変化がないかを記録する
- 「AI Overviewsが出るクエリ」と「出ないクエリ」の傾向(情報検索系か購買検討系か)をメモしておく
まとめ
SERPは、自然検索結果のリストという単一の層から、AI要約枠・AI Mode・自然検索が同居する多層構造へと変わりました。この変化は2023年のSGEから始まり、日本でも2024年8月以降段階的に広がり、2026年に入っても更新が続いています。「上位を取ればクリックされる」という従来の前提が崩れつつあることを踏まえ、この構造変化が具体的にどれほどの流入減につながっているのか、数字の中身はII-A7に譲ります。
このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。
確認テスト
選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。
Q1. Googleは2024年5月のGoogle I/Oで、生成AI要約機能を正式名称「AI Overviews」としてローンチした。
2023年5月にSGEとして実験公開された機能が、2024年5月のGoogle I/Oで正式名称「AI Overviews」としてローンチされました。
Q2. Ahrefsの調査によれば、AI Overviewsが表示されることで検索結果1位のクリック率はどうなると報告されているか。
Ahrefsの調査では、AI Overviewsが表示されることで検索結果1位のクリック率が約58%低下すると報告されています。
Q3. AI Overviewsとフィーチャードスニペットが併存表示されるケースの2024年12月時点調査で、占有率が高かったのはどちらの端末か。
占有率はデスクトップで約67.1%、モバイルでは約75.7%に達したと報告されており、モバイルの方が高い水準です。
このレッスンのFAQ
Q. AI Overviewsは日本にいつから展開されましたか?
2024年8月16日に日本を含む主要国へ展開され、同年10月には100カ国以上、2025年5月には200以上の国・地域、40以上の言語に対応しています。
Q. SGEとAI Overviewsはどう違うのですか?
SGE(Search Generative Experience)は2023年5月のGoogle I/Oで実験公開された名称で、2024年5月のGoogle I/Oで正式名称「AI Overviews」としてローンチされました。同じ機能の実験段階と正式版の名称の違いです。
Q. Googleは表示範囲を一方的に拡大し続けているのですか?
いいえ。2026年1月には健康関連の検索において一部AI Overviewsの表示を制限する動きがあり、画面の見え方は事業判断やリスク管理の都合で今後も変わり続けるという前提が必要です。