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IX-A5 世界の生成AI利用率を国別に読む

先進国ほど利用率が高いとは限らない現実

このレッスンの狙い:欧州の公式統計やケニア・インドの利用データから、生成AI利用率が先進国ほど高いとは限らないことを理解し、自社が展開する国の実態を把握できるようになる

最終更新: 2026-07-25

この記事の要点

  • 欧州の公式統計やケニア・インドの利用データから、生成AI利用率が先進国ほど高いとは限らないことを理解し、自社が展開する国の実態を把握できるようになる
  • 欧州の公式統計が示す実像
  • 「利用率世界一」はケニア
総論:世界のAI検索地図IX-A5

世界の生成AI利用率を国別に読む

先進国ほど高いという直感は外れる

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「生成AIはどの国でよく使われているのか」という問いに、先進国ほど利用率が高いはずだと直感で答えると、実は大きく外れます。このレッスンでは、欧州の公式統計とアフリカ・中東の調査データを横断し、世界の生成AI利用率の本当の姿を見ていきます。

欧州の公式統計が示す実像

EU統計局Eurostatによれば、2025年時点でEU域内16〜74歳の32.7%が生成AIツールを利用しており、2024年から2025年にかけて個人利用は68%増加しました(出典: Eurostat, 2025年12月)。年齢別では16〜24歳の利用率が63.8%まで上がり、ギリシャ83.5%・エストニア82.8%・チェコ78.5%が最高水準です(出典: Eurostat, 2026年2月)。加盟国別ではデンマーク48.4%・エストニア46.6%・マルタ46.5%が上位で、非EUのノルウェーは56%とヨーロッパ全体でもトップの数値でした(出典: adaptworldwide, 2026年6月)。用途の内訳も参考になります。EU全体の生成AI利用のうち、私的利用が25.1%、業務利用が15.1%、正規教育での利用が9.4%と、私的な使い方が業務利用を上回っている点は、企業のAIO戦略が「働く場面」だけを想定していると利用実態の半分以下しかカバーできないことを示唆します(出典: Eurostat, 2025年12月)。

「利用率世界一」はケニア

ところが世界全体を見渡すと、利用率トップは欧州ではなくケニアです。ケニアの16歳以上インターネット利用者のうち42.1%が過去30日以内にChatGPTへアクセスしたと報告されており、これは世界1位の数値です。2位はアラブ首長国連邦42.0%、3位はイスラエル41.4%と続きます。比較として米国19.1%・英国17.9%・中国7.3%・日本5.8%という数値も示されており、ケニアの利用率は日本の約7倍にあたります(出典: DataReportal「Global Digital Report」, 2025年7月)。

ケニア

42.1%(世界1位)

アラブ首長国連邦

42.0%(世界2位)

イスラエル

41.4%(世界3位)

日本

5.8%(比較参考値)

モバイル通信網が先進的な整備を経ずに一気に普及した国ほど、生成AIチャットも「検索エンジンより先に」広く浸透しやすいという構図が見えてきます。

インドは「利用率」ではなく「規模」で世界を動かす

インドは利用率のランキングでは目立ちませんが、週間アクティブなChatGPT利用者が1億人を超え、米国に次ぐ世界2位の市場になっています。ChatGPT全体トラフィックの約12%をインドが占め、18〜24歳がインドからの全メッセージの約50%を占めるという若年層への偏りも報告されています(出典: OpenAI「Signals」報告経由の報道, 2026年2月)。利用率という比率だけでなく、絶対的なユーザー数という物差しも同時に持っておく必要があります。

ポイント

国別の生成AI利用率を比較するときは、調査の定義(「過去30日以内」「これまでに一度でも」など)や対象年齢が揃っているかを必ず確認してください。定義がずれたまま数字だけを並べると、実態とかけ離れた順位付けをしてしまう危険があります。

実践ステップ

  1. 進出・展開を検討する国の生成AI利用率を、公的統計(Eurostat等)または大手調査(DataReportal等)で確認する
  2. 利用率だけでなく、絶対的なユーザー数・市場規模もあわせて確認する
  3. 年齢別の利用率データがある場合は、若年層と全体平均の差を確認する
  4. 調査ごとに定義(期間・対象年齢)が異なる可能性を踏まえ、単純な横並び比較を避ける
  5. 日本国内の利用率(参考値5.8%)と比較し、自社が想定する市場のギャップを具体的に把握する

まとめ

生成AI利用率は、欧州の公式統計でも国ごとに大差があり、世界トップはケニアという先進国以外の国でした。次のレッスンでは、利用率の高さと「AIに引用される」ことの関係を掘り下げ、「言及される」と「引用される」は別物だという、ブランド可視性の重要な違いを学びます。

このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。

確認テスト

選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。

Q1. 世界の生成AI利用率(ChatGPT過去30日アクセス)で1位はケニアであり、これは日本の約7倍にあたる。

Q2. DataReportalの調査でChatGPT利用率世界2位・3位の国の組み合わせは。

Q3. インドがChatGPT市場で持つ特徴として本文が強調するのは。

このレッスンのFAQ

Q. EU域内の生成AI利用率(2025年)はどの程度か。

16-74歳の32.7%が生成AIツールを利用しており、前年から68%増加しました(出典: Eurostat, 2025年12月)。

Q. 世界で生成AI利用率が最も高い国はどこか。

ケニアで、16歳以上インターネット利用者の42.1%が過去30日以内にChatGPTへアクセスしたと報告されています。

Q. 日本の生成AI利用率(比較値)はどの程度か。

参考値として5.8%が示されており、ケニアの約7分の1にあたります。

監修:鈴木晋介(株式会社WEBMARKS 代表取締役)

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