V-A3 参照流入とCV計測の考え方
AI検索経由の流入と、その先のコンバージョンをどう結びつけるか
このレッスンの狙い:参照流入とCVの計測方針を設計できる
最終更新: 2026-07-23
この記事の要点
- 参照流入とCVの計測方針を設計できる
- AI経由の流入はそもそも捕捉しにくい
- Googleも対策を進めているが、まだ発展途上
AIにどう見られているかが分かっても、それだけでは片手落ちです。KPIツリーのOutcome層を埋めるには、AI経由の訪問者が実際にサイトへ流入し、問い合わせや資料請求につながっているかまで追わなければなりません。参照流入とコンバージョン(CV)を結びつけて考えるための基本方針を、まず押さえておきましょう。細かい実装手順は編V-Cに譲り、ここでは考え方の骨格に絞ります。
AI経由の流入はそもそも捕捉しにくい
GA4の標準的な仕組みでは、ChatGPT・Perplexity・Gemini・Copilotなどからの参照(リファラー)トラフィックの多くが、そのままでは「Referral」または「Unassigned」に一括分類されてしまい、AI経由かどうかを区別できません(出典: Discovered Labs, 2026年7月)。さらに、ChatGPTのモバイルアプリ利用など、リファラー情報が送信されないケースでは「Direct(直接入力)」に紛れ込んでしまうことも報告されています。この、AI経由なのにDirectとして見えてしまう流入は「ダークトラフィック」と呼ばれます。
実例:Shopify プラットフォーム全体で、AI起因の注文(AI-attributed orders)が2025年1月から2026年1月の1年間で11倍に成長したと発表されています(Shopify公式データ・業界メディア集計, 2026年)。
Googleも対策を進めているが、まだ発展途上
2026年5月、GA4には既定のチャネルグループとして「AI Assistant」チャネルが自動追加されました(出典: Search Engine Journal, 2026年5月)。これによりChatGPT・Gemini・DeepSeek・Copilot・Grokからの参照は自動的に判別されやすくなりましたが、Perplexityはこの対象に含まれておらず、Google自身のAI OverviewsやAI ModeからのクリックもAI Assistantチャネルではなく「オーガニック検索」として扱われるという限界があります。標準機能だけでAI経由の流入を完全に捕捉することは、まだできないと考えておくべきです。具体的な正規表現の設定手順は編V-Cで扱います。
CVへの接続は「単一の正解」がないという前提で考える
参照元が正しく判別できたとしても、AI経由の訪問がその場でフォーム送信までたどり着くとは限りません。ある分析では、AI経由トラフィックの70.6%がGA4上でDirectとして着地していたと報告されており(出典: Loamly, 2026年2月)、単一のチャネル計測だけでCV貢献を語るのは危険です。そこで実務では、複数のシグナルを重ね合わせて推計するという考え方が使われます。たとえば、Search Console上の指名検索(ブランドクエリ)ボリュームの伸び率と、GA4のDirectトラフィックの伸び率を比較し、Directの伸びが指名検索の伸びを上回っている差分を「AI起因の可能性が高い部分」として捉える方法です(出典: Averi, 2026年7月確認)。
計測方針を設計する際の判断軸
参照流入とCVの計測方針を決める際は、次の3つを先に言語化しておくと迷いません。1つ目は、何をCVと定義するか(問い合わせフォーム送信か、資料請求か、指名検索そのものを擬似CVとするか)。2つ目は、どのチャネル設定を採用するか(既定のAI Assistantチャネル・独自の正規表現ルール・その両方の併用)。3つ目は、直接計測できない部分をどの代替シグナルで補うかです。この3つをV-A1のツリーのOutcome層に書き込んでおくと、編V-Cでの実装がスムーズになります。
実践ステップ
- 自社サイトのGA4で、現在AI経由の流入がどのチャネルに分類されているかを確認する
- 「AI Assistant」チャネルが有効になっているか確認する
- 自社にとっての「CV」を1つに定義する(問い合わせ・資料請求・指名検索など)
- Search Consoleの指名検索ボリュームの推移を直近3か月分メモする
- GA4のDirectトラフィックの推移を同じ期間で並べて比較する
- 差分が大きい月があれば、その時期に何かAIO施策を行ったかを振り返る
まとめ
AI経由の参照流入は、標準機能だけでは全体像を捕捉しきれません。Visibility→Authority→OutcomeのOutcome層を埋めるには、直接計測できる部分と、指名検索など間接シグナルで推計する部分を組み合わせる発想が必要です。指標の中身と測り方が定まったところで、次に立ちはだかるのは「では、どこまでいけば合格なのか」という水準の話です。V-A4ではそこに踏み込みます。
このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。
確認テスト
選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。
Q1. GA4の既定「AI Assistant」チャネルには、Perplexityからの参照も含まれる。
「AI Assistant」チャネルはPerplexityを対象に含んでいません。
Q2. ある分析(Loamly, 2026年2月)で報告された、AI経由トラフィックのうちGA4上でDirectとして着地していた割合はどれか。
AI経由トラフィックの70.6%がGA4上でDirectとして着地していたと報告されています。
Q3. AI経由なのにGA4上で「Direct」に紛れ込んでしまう現象は何と呼ばれるか。
発生源が特定できないままDirectに埋もれてしまう流入は「ダークトラフィック」と呼ばれます。
このレッスンのFAQ
Q. GA4の標準設定だけでAI経由の流入は正確に把握できますか。
できません。ChatGPT・Perplexity・Gemini・Copilotなどからの参照トラフィックの多くは、標準設定のままではReferralまたはUnassignedに一括分類されてしまいます。
Q. AI経由の流入がCVにつながったかを判断する代替的な方法はありますか。
あります。Search Console上の指名検索ボリュームの伸び率とGA4のDirectトラフィックの伸び率を比較し、Directの伸びが上回っている差分を「AI起因の可能性が高い部分」として捉える方法が紹介されています。
Q. GA4のAI Assistantチャネルはどのプラットフォームを対象にしていますか。
ChatGPT・Gemini・DeepSeek・Copilot・Grokからの参照が対象です。Perplexityは対象外で、Google自身のAI OverviewsやAI Modeのクリックもオーガニック検索として扱われます。