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VII-A5 MCP等プロトコルとWebの関係

AIとツールをつなぐ標準プロトコルMCPが、Webにもたらす変化

このレッスンの狙い:MCPの基本と、Web設計への影響を説明できる

最終更新: 2026-07-23

この記事の要点

  • MCPの基本と、Web設計への影響を説明できる
  • MCPとは何か
  • 3層構造とやり取りのイメージ
エージェント検索とAIブラウザVII-A5

MCP等プロトコルとWebの関係

AIとデータ・ツールをつなぐ共通規格の登場

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AIエージェントが外部のデータやツールに接続するための共通ルールを決めておかないと、接続先が増えるたびに個別の実装が必要になってしまいます。この問題を解決するために登場したのがMCP(Model Context Protocol)です。このレッスンでは、MCPの基本的な仕組みと、Web設計への影響を押さえていきます。

MCPとは何か

MCP(Model Context Protocol)とは、Anthropicが2024年11月25日に発表したとされる、AIモデルを外部のデータソース・ツールへ接続するためのオープンな標準規格です。狙いは、AIごと・接続先ごとに個別実装が必要になる「N×M問題」の解消であり、設計思想はプログラミング言語とエディタをつなぐ「Language Server Protocol(LSP)」から着想を得ているとされます(出典: Wikipedia「Model Context Protocol」、2026年7月23日確認)。

3層構造とやり取りのイメージ

MCPはJSON-RPC 2.0をベースとしたクライアント・サーバー方式のプロトコルで、「ホスト(接続を開始するAIアプリ)」「クライアント(ホスト内のコネクタ)」「サーバー(データやツールを提供する側)」という3層構造を取ります。開発者は自社データをMCPサーバー経由で公開する側にも、既存のMCPサーバーに接続するAIアプリケーションを作る側にもなれます(出典: Anthropic公式発表、2026年7月23日確認)。やり取りのイメージをごく簡単に示すと、次のような形になります(実際の仕様の細部を示すものではなく、構造理解のための簡略例です)。

{
  "jsonrpc": "2.0",
  "method": "tools/call",
  "params": {
    "name": "search_products",
    "arguments": { "query": "一人暮らし向け掃除機" }
  },
  "id": 1
}

標準化とガバナンスの移り変わり

2025年3月にOpenAI、同年4月にGoogle DeepMind、同年5月にAWSとMicrosoftが相次いでMCP対応を表明したとされています。2025年12月にはAnthropicがMCPを、Linux Foundation傘下でAnthropic・Block・OpenAIが共同設立した「Agentic AI Foundation(AAIF)」へ移管し、単一企業依存から業界横断の標準へと性格を変えつつあるとされています。2026年4月には北米MCP Dev Summitが開催され、約1,200人が参加したと報告されています(出典: Wikipedia「Model Context Protocol」、2026年7月23日確認)。特定企業の一存に依存しないインフラ層になりつつあるという点は、覚えておく価値があります。

セキュリティ面の注意点

一方で2025年4月には、セキュリティ研究者からプロンプトインジェクション攻撃や接続ツール経由のデータ流出リスクなど、複数の未解決の脆弱性が指摘されています(出典: 同上)。便利さの裏側にリスクが伴う点は、VII-A2で扱ったAIブラウザの脆弱性とも共通する構図です。

Web設計への示唆

MCPは、agentic commerceを支えるACP・AP2・UCP(VII-A3参照)のような特定用途のプロトコルとは異なり、FAQ・製品カタログ・料金表など、およそどんなデータやツールもAIに接続できる汎用的な土台です。今すぐ実装が必須というわけではありませんが、自社が持つデータ資産のうち、将来的にMCPサーバー化できそうなものを棚卸ししておくことは、選択肢を広げる意味で有効です。

実践ステップ

  1. 自社が保有するFAQ・製品カタログ・料金表などのデータ資産を棚卸しする
  2. MCPの3層構造(ホスト・クライアント・サーバー)を、自社のシステム構成に置き換えて説明できるようにしておく
  3. 開発チームとMCP対応の要否・優先度を確認する(即実装必須ではなく選択肢として)
  4. プロンプトインジェクション等のセキュリティリスクを開発チームと共有する
  5. AAIFなどガバナンス動向を定期的に確認する仕組みを作る

まとめ

MCPは、AIとデータ・ツールをつなぐ「N×M問題」を解消するために生まれた標準規格で、2025年12月にはAnthropic単独の管理から業界横断の財団運営へと移行したとされています。agentic commerce特有のプロトコルとは役割が異なる、より汎用的な土台だと理解しておいてください。要するに、今日から全社で実装する話ではなく、将来の選択肢として社内で共有しておくべき知識です。もう1つ、MCPと並んでAIエージェントの挙動を左右する性質があります。VII-A6ではパーソナライズという論点を確かめます。

このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。

確認テスト

選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。

Q1. MCPは2026年時点でもAnthropic単独が管理する規格のままである。

Q2. MCPが解消しようとしている問題として本文が挙げているのはどれか。

Q3. MCPが発表されたのはいつか。

このレッスンのFAQ

Q. MCPは今すぐ自社で実装が必須のものですか?

必須ではありません。将来的にMCPサーバー化できそうなデータ資産を棚卸ししておくことが、選択肢を広げる意味で有効とされています。

Q. MCPとagentic commerceのACP・UCP・AP2は同じものですか?

いいえ、異なります。MCPはFAQや製品カタログなどあらゆるデータやツールに使える汎用的な土台で、ACP・UCP・AP2はagentic commerceに特化したプロトコルです。

Q. MCPにセキュリティ上の懸念はありますか?

はい、あります。2025年4月にプロンプトインジェクション攻撃や接続ツール経由のデータ流出リスクなど、複数の未解決の脆弱性が指摘されています。

監修:鈴木晋介(株式会社WEBMARKS 代表取締役)

MCP未来動向
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