VII-A7 広告モデルの行方を考える
AI検索における広告の入り方と、その先の収益モデル
このレッスンの狙い:AI検索の広告モデルの動向を説明できる
最終更新: 2026-07-23
この記事の要点
- AI検索の広告モデルの動向を説明できる
- OpenAIは広告導入へ
- Perplexityは広告から撤退
AI検索がどうやって収益を得るのかは、サービスの持続性だけでなく、AIOに取り組む私たちの実務にも直結する論点です。このレッスンでは、同じ時期に正反対の判断を下したOpenAIとPerplexityの事例から、AI検索の広告モデルがまだ実験段階にあることを読み解きます。
OpenAIは広告導入へ
2026年1月17日、OpenAIはログイン済みの成人・米国の無料版ユーザーを対象に広告テストの開始を発表し、2026年3月までに実際の広告表示が始まったとされています。Wikipediaによれば、同社は今後8年間でAIインフラに1.4兆ドルを投資する計画を掲げているとされ、広告収益はその原資の一部として位置づけられているとされています(出典: Wikipedia「ChatGPT」、2026年7月23日確認)。巨大な投資を支えるための収益源の1つとして、広告という選択肢が採られた形です。
Perplexityは広告から撤退
一方でPerplexityは2026年2月、それまで進めていたAI統合型の広告戦略を撤回し、サブスクリプション中心のモデルへ転換したとされています。経営陣はユーザーの信頼維持と回答の客観性優先を理由として挙げています(出典: Wikipedia「Perplexity AI」、2026年7月23日確認)。回答の中に広告が混じることで「本当に中立な回答なのか」という疑念を持たれるリスクを避けた判断だと言えます。
Googleの状況と広告基盤企業の動き
Googleについては、2025年3月時点でAI Mode内への広告導入検討が報じられていますが、AI Overviews自体への広告組み込みの詳細な仕様は、本稿執筆時点(2026年7月)で公開されている情報の範囲では明確になっていません(出典: Wikipedia「Google Search」、2026年7月23日確認)。一方で広告そのものの是非とは別に、広告基盤企業側の対応は進んでいます。agentic commerce(VII-A3参照)の広がりに合わせて、Walmart・Home Depotなどの小売企業に加え、Google Ads・Amazon・Yahooといった広告基盤企業もエージェント対応機能の実装を進めていると報告されています(出典: Wikipedia「Agentic commerce」、2026年7月23日確認)。広告の「表示のされ方」だけでなく、「エージェント経由の購買行動をどう計測・課金するか」という新しい論点が、今後の広告モデルに加わっていくと考えられます。
同時期に生まれた正反対の判断が意味すること
OpenAIとPerplexityが、ほぼ同じ時期に正反対の方向へ舵を切ったという事実そのものが、AI検索における広告収益化の最適解がまだ定まっていないことを物語っています。SEOの世界では検索連動型広告というモデルがすでに確立していましたが、AI検索・エージェント検索の世界では「広告をどう組み込むか」自体がまだ実験段階にあると捉えておくのが実務上安全です。
AIOの実務への影響
広告モデルが流動的であるということは、「AI内広告」と「AIOによる自然な引用」を別の予算・別のKPIとして管理しておく必要があることを意味します。プラットフォーム側の方針転換によって、広告出稿の前提条件が突然変わり得るためです。
実践ステップ
- 自社が広告出稿しているAI検索プラットフォームがあれば、最新のポリシーを四半期ごとに確認する
- 「AI内広告」と「AIOによる自然引用」を別予算・別KPIとして管理する
- Perplexityの事例のようにプラットフォーム側の方針が急に転換し得る前提でリスクを分散する
- 広告出稿の意思決定者に、本レッスンで紹介した2社の対照的な動きを共有し、社内の認識を揃える
- Google等他プラットフォームの広告関連の発表を定点観測するアラートを設定する
まとめ
OpenAIの広告導入とPerplexityの広告撤退という、同時期に起きたとされる正反対の判断は、AI検索の収益モデルがまだ実験段階にあることを示しています。ぶっちゃけ、この分野の広告ルールは半年後にはまた変わっているかもしれません。だからこそ、四半期ごとに前提を見直すサイクルを組み込んでおくことが、遠回りのようで一番安全な向き合い方です。ここまで編VII-Aで見てきた7つの論点を、最後にもう一度実務目線でつなぎ直す番です。VII-A8で締めくくります。
このレッスンはテキストとスライドで学べます。スライドは上のビューアからご覧ください。
確認テスト
選択肢をクリックすると、その場で正誤と解説が表示されます。
Q1. OpenAIとPerplexityは、2026年前半にほぼ同時期に広告に対して同じ方向(導入拡大)の判断をした。
OpenAIは広告導入へ進み、Perplexityは広告戦略を撤回するという正反対の判断をしたと本文は説明している。
Q2. Perplexityが2026年2月に広告戦略を撤回した理由として本文が挙げているのはどれか。
経営陣はユーザーの信頼維持と回答の客観性優先を理由として挙げていると本文にある。
Q3. OpenAIが掲げているAIインフラへの投資規模として本文にある数字はどれか。
広告収益はこの投資の原資の一部として位置づけられていると本文は説明している。
このレッスンのFAQ
Q. AI検索の広告モデルはすでに確立していますか?
いいえ、まだ確立していません。OpenAIとPerplexityが同時期に正反対の判断を下したことが、広告収益化の最適解がまだ定まっていないことを示しています。
Q. 「AI内広告」と「AIOによる自然な引用」は同じKPIで管理していいですか?
別の予算・別のKPIとして管理しておく必要があるとされています。プラットフォーム側の方針転換によって、広告出稿の前提条件が突然変わり得るためです。
Q. Googleの広告モデルはどうなっていますか?
2025年3月時点でAI Mode内への広告導入検討が報じられていますが、AI Overviews自体への広告組み込みの詳細な仕様は2026年7月時点で明確になっていません。